【日帰り登山】残雪の八ヶ岳(唐沢鉱泉~天狗岳~根石岳)周回ルート
2021年5月3日(月)八ヶ岳の天狗岳、根石岳に行ってきました。
天狗岳登山について
- 天狗岳→標高2646m(西天狗岳)
- 唐沢鉱泉登山口→標高1870m
- 今回の累計標高→1025m
- 今回の総歩行距離→9.2km
そろそろ高山でも雪が少なくなってきただろうと予想し、GWに計画していた天狗岳に行ってきました。数日前から他の登山者の山行をチェックして、チェーンスパイクでも問題なさそうと期待していたのですが、まさかの前日に降雪。不安に思いながらも無理なら途中で引き返そうと安全を心に誓い、いざ残雪の八ヶ岳へ!
予想以上の雪だけど、行けるとこまで行ってみよう!
西天狗岳・東天狗岳・根石岳 / sei-nikoさんの西天狗岳・東天狗岳・根石岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
これが実際に私が歩いたルートです。唐沢鉱泉を起点とし、反時計回りに周回しました。
早朝自宅を出発、雲一つない空の下中央道を諏訪南ICまでひた走ります。GWということもあり早朝にもかかわらず車が多めです。朝ごはんのパンを食べながら2時間半、唐沢鉱泉の駐車場に到着しました。昨日の雪と7時前の到着で気温も低く唐沢鉱泉駐車場手前がツルツルに凍結してしまっていてスタッドレスを履いていたにもかかわらずタイヤがいうことをききません。何とか無事駐車できたものの、アクセルを踏み続けないと下に滑ってしまう恐怖に冷や汗が止まりませんでしたが、苦戦しながらもなんとか車を納めることができました。
唐沢鉱泉~西天狗岳
06:50 駐車場は凍結
駐車場は既に雪が積もっている状態。私が到着したときは20台ほど停められる駐車場に15台程度でした。
07:20 唐沢鉱泉から西天狗登山口へ
唐沢鉱泉で帰りにお風呂に入ろうと温泉セットはばっちり車にスタンバイ!ここですぐ東天狗、西天狗それぞれへ向かうルートの分岐があります。
西天狗へ向かう西尾根ルートは右の「しゃくなげ橋」を渡っていきます。しゃくなげ橋を渡ってすぐ左へ進んでいくと登山道に入っていきます。
しばらくはこんな感じの岩と雪の道。踏み跡があるので迷わず進みます。実は私、この辺りまでまだ車がスリップしてしまった恐怖から立ち直れず、「嫌な予感がする、嫌な予感がする…」と頭の中でぐるぐる考えてしまっていたのですが、
先行者さんが書いたニコニコ落書き。この絵のおかげでほっこり気持ちが落ち着きました。ここまでずっと不安と戦いながら進んでいたのですが、気持ちがスッと落ち着いて楽しい気持ちになれました。今回の山行中、こんな感じのお絵かきがたくさんあってその都度ほっこりさせてもらいました。雪は無限のキャンバスですね。
描いてくれたあなた!グッジョブ!
突然樹林帯を抜け、目の前にドーンと赤岳が登場しました。思わず「うそでしょ!」と声が漏れてしまうほどの感動の瞬間でした。この角度から見るとかなりググっと尖って見えて、ごつごつした姿がとてもかっこいいです。
めちゃかっこいいじゃん!!
南アルプスの山もはっきりと見えました。鳳凰三山、農取、北岳、アサヨ峰、甲斐駒、仙丈ヶ岳です。「今年は登っていらっしゃい」と南アルプスの女王・仙丈ケ岳が呼んでいるのが聞こえるとか聞こえないとか。。
そして中央アルプスの山々。あまり中央アルプスの山は知らないのですが、木曽駒、宝剣、空木岳もばっちり見えました。
09:05 第一展望台
先ほどの開けた場所が第一展望台かと思いきや、第一展望台はそこからさらに少し上にありました。第一展望台より手前で感動は十分お腹いっぱいになっていたので、とりあえずここはスルーして先に進みました。
第一展望台をあとにすると、すぐまた樹林帯に入ります。上を見上げれば真っ青な空に真っ白な霧氷です。これぞ八ヶ岳ブルー!
この辺りでもう2500M程度あるのでだんだんと雪も深くなってきました。チェーンスパイクしか持っていないので大丈夫かな?と思いましたが、皆さんがしっかりと固めてくれたトレースのおかげで特に危険な感じもなく歩けました。
09:24 第二展望台
西天狗岳山頂に向け登っていく先行者さん達が小さく見えます。チェーンスパイクで歩く不安が大きくなってきましたが、先行者さんも数名チェーンスパイクのかたがいたということですこし安心しました。
いよいよ樹林帯を抜けここからはハイマツとゴロゴロした岩の道になります。
岩にはかわいいえびのしっぽが無数に出来ていてハイマツは霧氷に覆われています。えびのしっぽをみるのは初なので感動しました!
山頂直下はゴロゴロした岩を登っていくのですが、遠く北八ヶ岳が蓼科山まできれいに見渡せました。
西天狗岳~東天狗岳
10:05 西天狗岳登頂 標高2646m
西天狗岳山頂に到着しました。山頂は広めで、コーヒーブレイク中のかたもチラホラいます。ここで、山頂にいたかた達とそれぞれ撮影会 私も初の後ろ姿に挑戦しました。後ろ姿なのに、「はい、チーズ!」と言われると思わず笑顔を使ってしまう私。オハズカシイ。。撮影してくださったかたに「いい笑顔だったよ~」と褒めていただきました。いや、見えてないでしょ笑
硫黄岳 昨年の夏登ったのですが、前回はガスってしまっていたので、リベンジ登山したい山です。
赤岳&阿弥陀岳 ここからみると双子の山のように見えます。
南アルプスの展望もバッチリです。
遠くに金峰山も見えました。こちらももう一度登りたい山です。
西天狗岳を後にして、東天狗岳へ向かいます。この辺りはガレ場になっているみたいなので、もしかしたら雪がある方が歩きやすいんじゃないかと思います。
西天狗山頂直下とは違い、ゴロゴロした岩もなく緩やかに登っていけば山頂です。
東天狗岳~根石岳
10:30 東天狗岳登頂 標高2640m
東天狗岳山頂に到着です。この辺りから風が凄くて、休憩どころではない、という状態になってきました。山頂標も文字が隠れてしまって見えません。
ささっと写真撮影を済ませ、根石岳に向かいます。
東天狗山頂直下。一応鎖場なのだと思いますが、手掛かり足掛かりが沢山あるので問題なく進めます。
鎖場が終わるとすぐ鉄製の橋を渡ります。
10:55 白砂新道入口
雪がなければとてもきれいな白砂の道なのでしょうが、、今日は全てが真っ白の白雪登山道
夏の景色もみたーい!
白砂新道から振り返った天狗岳 これはかっこいい!
根石岳山頂直下はやや急登です。とにかく風が強く、隠れる場所もなかったので山頂に急ぎます。
根石岳~黒百合ヒュッテ
11:00 根石岳登頂 標高2603m
根石岳山頂に到着です。暴風を何とか避けられないものかと狭い山頂をぐるっと一周しましたが、残念ながら避けられる場所はなく、ここでもささっと撮影して急ぎ退散です。
とにかく風が凄すぎて落ち着けない~!
根石岳から見た硫黄岳。大迫力の爆裂火口が近くに見えます。ここから硫黄岳までの縦走も気持ちよさそう!ただこの暴風にやられた私はヘタレ根性炸裂でスゴスゴと東天狗へ戻りました。
霧氷ってポロポロ取れるものかと思って触ってみたのですが、ガッチガチに硬い!!根元も氷でガッチリ固められてるんですね~
東天狗を越えて、中山峠へ向かいます。ちょうどこの岩が天狗岳の名前の由来となった天狗の鼻ですね。
すごくきれいな青空は見えているのですが、だんだんと雲が重たい感じになってきました。朝は雲一つなかったのですが、この風で運ばれてきたようです。
でもこのコントラストがなかなかカッコいいんだよね
天狗の鼻は左から巻いていきます。この先急な岩場の下りになるので、一番神経を使いました。全体的に難所のない山ですがあえていうなら天狗の鼻以降の下りが一番かなと思います。
11:55 すりばち池との分岐
中山峠を通らずに黒百合ヒュッテに向かえるようなので、夏はこっちに行ってみたいなと思います。今回は中山峠方面へ
天狗岳を振り返ってみるとかなりの絶壁です。
この先しばらく広いの雪の斜面を下っていきました。傾斜もきついので横を向いてカニ歩きで慎重に進みます。
そしてやっと…やっと樹林帯に入りました。ここまでずっと暴風にさらされてきたので、心の底からほっとしました。ここまで休憩らしい休憩をとれずにいたので、一休みします。
と思ったら一瞬で岩場ゾーンへ。ここからしばらく樹林帯→岩場→樹林帯→岩場の繰り返しです。
先ほどカニ歩きで下ってきた斜面を振り返ってみました。振り返って見て初めて気づいたのですが、ずっとずっと見たいと思っていた雪庇!雪庇の横を歩いているときは気づかないものなんですね。今回の登山は初めて見る景色が多く本当に最高です!
これ、なんていう木なんでしょうか?白と緑の景色の中で赤いアクセントがとてもきれいでした。
夏であれば、この辺りから天狗の奥庭がきれいに見える事でしょう。夏も絶対来るぞ!と心に誓い進みます。
手前が天狗の奥庭(たぶん…)奥に天狗岳。それにしても今日の雲はとってもきれい!
12:35 中山峠
まっすぐ進めばニュウ、右に折れるとしらびそ小屋方面、今回は黒百合ヒュッテに向かうので、左に折れます。
このモフモフの雪はたまりません!
黒百合ヒュッテ~唐沢鉱泉
12:40 黒百合ヒュッテ
黒百合ヒュッテに到着しました。こんな雪の中でもさすがのGW、テントがたくさん張ってあります。ちょうどテント泊に向け、山岳テントを探しているところなので、勝手に1人無料見学会開催させてもらいました。
どんなテントにしようかな~軽いのがいいな~
黒百合ヒュッテのビーフシチュー頑張って歩いてきた甲斐がありました。ビーフはホロホロ崩れる柔らかさ、冷えた体にシチューがジワ~っと染み渡りました。そしてほんのり温かいパン。おいしくてたまりませんでした。
13:50 渋の湯方面への分岐
黒百合ヒュッテからはしらびその樹林帯を進みます。八ヶ岳らしい景色に癒されます。
ところが…ここから急に左足が滑り出しました。真ん中の雪が剥げているところで、滑って転んでしまいました。氷の上に雪がつもっている、ということもあるのですが、2~3分に一回はツルンツルン滑るようになり、転びそうになることも度々。。薄い雪の下にはツルツルの氷がワナを張って待ち構えています。
何かがおかしい…それも左足だけ…と思って足を見てみると、まさかのチェーンスパイクの歯が靴の方に…上に向いてる!?
黒百合ヒュッテの中に入った時にチェーンスパイクを脱いだのですが、そのあと歩き出す前に逆に履いてしまっていたみたいです。全く気づきませんでした。それもどうかと思いますが笑 アイゼンであればこんなことはあり得ないのですがチェーンスパイクだとこれが違和感なく履けてしまうんですね。。そりゃ滑るわけです。
皆さん、くれぐれもお気を付けください。えへへ
大事にならなくてよかった!
チェーンスパイクを正しく履きなおして、気持ち新たに進みます。黒百合ヒュッテから先は地図でみると沢沿いのルートになっているんですね。雪で沢も隠れてしまっていて、この橋を渡るまで沢沿いを歩いているとは全く気付きませんでした。
下界に近づくにつれ、雪から顔を出した苔がみずみずしくてとてもきれいです。苔むした八ヶ岳は雪の下でもしっかりと健在していました。
いよいよ登山も終わりが近づいてきました。この橋は登山口にあったしゃくなげ橋の少し上流にあります。
14:40 唐沢到着
唐沢鉱泉源泉 あまりのきれいさにダイブしたくなるでしょう。でもいけません。冷たいです。。
14:50 唐沢鉱泉 ホームページhttp://www.karasawakousen.com/
唐沢鉱泉の登山口まで無事帰ってきました。さぁ!お風呂お風呂!と入口まで行ってみたら、「冬季休業中」
そんな…そんなひどい…
ホームページはしっかりチェックしてから行きましょう。。
楽しみにしてたのになぁ~
最後に・・・
大好きな八ヶ岳、今までは苔の森を楽しむために来ていましたが、今回は全く違う一面を楽しむことができました。雪の帽子を被った苔たち、はじめて見たえびのしっぽ、見たくてたまらなかった雪庇等々…想定外の降雪が見せてくれた新しい発見に大感謝です。
天狗岳は苔の森はもちろん、天狗の奥庭や白砂新道など夏山の見所も沢山あるみたいなので、また季節を変えて登りに来たいです!また、これといって急登も危険箇所もなく、美しい稜線を堪能できるので、初心者にはとてもオススメの山だと思いました。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません