【日帰り登山】日本三大急登 西黒尾根を行く谷川岳
8月1日(日)谷川岳、日本三大急登の西黒尾根に登ってきました。登山を始めたばかりのころ天神尾根を歩いているので2度目の谷川岳です。
谷川岳に登山ついて
とうとう登ってきました谷川岳西黒尾根! 日本三大急登ということもあり、まだまだ自分の力量じゃないな、と思ってはいたのですが、「とくに危険な個所もなく体力勝負!」と父に勧められ思い切って挑戦してきました。登りは西黒尾根、下りは天神尾根のルートを歩きます。鎖場も多いので危険個所がないかどうかは人によると思いますが、すさまじい達成感を得ることができた大満足の山行になりました。
- 谷川岳(トマの耳)標高→1963m
- 谷川岳(オキの耳)標高→1977m
- 西黒尾根登山口標高→757m
- 今回の累計標高→1439m
- 今回の総歩行距離→7.9km
谷川岳・谷川岳・オキノ耳・熊穴沢ノ頭 / キャリママさんの谷川岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
これが実際に私が歩いたルートです。今回は日本三大急登の西黒尾根を登り、トマの耳・オキの耳を経てその少し奥の「奥の院」まで行ってきました。天神尾根を下って、ロープウェイで下山します。鎖場もたくさんあるコースですが、マチガ沢の絶景を見ながら歩ける展望抜群のルートです。
日本三大急登の西黒尾根!がんばるぞ~!
西黒尾根登山口~第一の鎖場
谷川岳ベースプラザ http://www.tanigawadake-rw.com/index.php 駐車場料金は500円でした。車のサイズや時期によって金額が変わるようですので、リンクチェックしてください。
谷川岳登山指導センター
ロープウェイを横目に通り過ぎ、自動車進入禁止の柵を抜けて進むと登山指導センターがあります。登山届はここで提出します。
6:55 西黒尾根登山口
駐車場から数分歩くと西黒尾根登山口に到着です。いよいよここから始まると思うと、緊張とともに気合が入ります。
登り始めからやや厳しい傾斜を登ると15分ほどで鉄塔が出てきます。鉄塔の下は平らになっているので、早速休憩します。この時点で既にはぁはぁ言ってしまっていました。心肺を鍛えなければ!
すでにつらいんですけど~
この辺りは時期も時期なので、虫が多く顔の周りをハチがブンブン飛び回ります。どこまで行ってもくっついてきて鬱陶しいのはどうにかならないものでしょうか。。虫除けスプレーと電池式のベープをぶら下げていますがほぼ意味がないような気がします。ちなみに虫除けって、スプレーした後塗りのばさないと効果が薄いようです。しっかり塗ろう。。
一瞬樹林が切れたところから天神尾根のロープウェイ天神平駅が見えました。まだまだあちらの方が標高が高い。文明の利器に負けてたまるか、頑張らねば。
写真ではわかりづらいのですが、かなり急登です。樹林の中を2時間近く進まなければならず、風もないので汗がどんどん噴き出してきます。
樹林帯を抜け、展望が開けてきました。ちょうど腰を掛けられる岩が多くあるので、皆さんここでいったん一息。これから先はラクダの背まで鎖場が3つ続きます。
樹林帯を抜けたところからの展望。一番右の写真に天神平駅が映っています。この辺りが大体天神平駅と同じくらいの標高です。やっとスタート地点といった感じ…
ここまで来たらもう頑張るしかないっ!
第一の鎖場~ラクダの背
1つ目の鎖場。1枚目の写真は鎖場を下から撮影、2枚目の写真は鎖場を登り切って上から撮影しています。足や手をかけるところがたくさんあるので、見た目より簡単に登れました。
迫力あるマチガ沢とトマの耳・オキの耳。一番見たかったのがこの景色なので、山頂にガスがかかってしまっているのが残念でなりません…
今登ってきた西黒尾根を振り返って。
「クルマユリ」
鮮やかな花が見頃を迎えていました。
2つ目の鎖場。下の方は一枚岩になっているので、滑りやすいかと不安になりましたが、傾斜も思ったよりきつくなく、岩も滑りにくいので問題ありませんでした。こちらは1枚目が鎖場中腹から、2枚目が登りきったところからの撮影です。
3つ目の鎖場。ここは手や足を掛けるところがしっかりとあるので、鎖を使う必要もないほどです。
ラクダの背~ザンゲ岩
ラクダの背 ここまでの鎖場が西黒尾根の一番難しいと言われる核心部になると思います。個人的には思ったより問題なかったという印象。ラクダの背は少し平坦な場所になるので、たくさんの方が休憩していました。
ここから一旦下ってトマの耳に向け登り返します。先を行く登山者さんたちの背中が小さく見えます。まだまだこんなに登らなきゃいけないのかと思うと心が折れそうですが、隣で休憩していた方は「あそこを登ると思うとワクワクする!」と言ってました。私はまだまだだな…
お願い、、山頂までヘリに乗せてって…
西黒尾根ガレ沢の頭
厳剛新道との分岐までやってきました。厳剛新道を下っていくとマチガ沢沿いのルートになります。この場所、ガレ沢の頭と書いてありますが、ガレ沢のコルといっている方が多数…どっちが正しいんだろう
だんだんと岩がゴロゴロした登山道に変わってきます。ただ展望がとても良いので、気持ちよく歩けます。
歩いてきた西黒尾根を振り返って。尾根沿いにある登山道がはっきりと見えます。よく頑張ったなぁ。
「ホソバヒナウスユキソウ(エーデルワイス)」「ヨツバシオガマ」「ウツボグサ」
この辺りから体力の限界を感じ始め、3歩歩いて休憩、また3歩歩いて休憩を繰り返しました。お花の癒しだけではすでに気力が足りない!西黒尾根、やはり精神的にも体力的にもきつい尾根です。
遠くにザンゲ岩らしきものが見えてきました。
氷河の跡
氷河の浸食作用によって削られたとされる大きな一枚岩です。ここで少し休憩を取りましたが、なにせ一枚岩…何か落としたら終わる、と思い早々に出発しました。
この先が鎖場になっています。
そして鎖場。鎖場とはいってもここはほぼ鎖を使う必要も感じません。
ザンゲ岩~トマの耳
10:45 ザンゲ岩
ここまでくればあとはもう大したことはない!ということでやっとまたやる気がわいてきました。前後にいる登山者の方たちも皆さん歩みがゆっくりになっているので、焦ることもなくゆっくりと自分のペースで歩きました。
天神平駅から延びる天神尾根、小さくですが、天狗の留まり場で休憩する人たちがはっきりと見えました。
肩の小屋近くの鉄製の標識が小さく見えてきました。あともう少し。足が思うように進まず息も絶え絶えですが、何とか一歩一歩登っていきます。
山頂が近づくと西黒尾根を下山するためにすれ違う人も増えてきました。「西黒尾根登って来たんですか!?」「西黒尾根下るんですか!?」『すごいですね~』『いやいやそちらこそ』とお互いナゾに褒めたたえあいます。(笑)
私もあなたも、みんなが頑張ってるんだー!
とうとう標識脇に到着しました。景色がよくなったり山頂が近づいたりすると、突然足が軽くなるのは私だけでしょうか?突如元気がみなぎりました。
眼下には肩の小屋も見えてテンションMAXです。登っている最中は山頂に登頂する前に肩の小屋で休憩しようと思っていましたが、元気いっぱいになったので肩の小屋はスルーしてそのままトマの耳を目指します。
天神尾根との合流地点までやってきました。元気が出たとはいえ、息も絶え絶えボロボロの私に比べて、天神尾根から来た方たちが何と楽しそうで元気そうなことか…
トマの耳~奥の院
11:06 谷川岳(トマの耳)登頂 標高:1963m
トマの耳に到着しました。山頂はそんなに広くないので、人がひしめき合っていて混雑しています。残念ながらやはりガスがかなりかかっていて、景色がよく見えません。写真だけ撮影してさっさとオキの耳を目指します。
西黒尾根歩ききった~~~っ!!!
オキの耳もやはりガスの中。山頂に着くまでに晴れてくれと祈りながら進みます。
「タカネコンギク」「ハクサンフウロ」「・・・」
最後のまん丸いお花の名前がわかりません…アザミの一種かな。トマの耳からオキの耳まではお花もたくさん咲いていて楽しく歩けるルートでした。
山頂のガスがなくなってきました!これでやっとここまで頑張った苦労が報われます!
11:25 谷川岳(オキの耳)登頂 標高:1977m
オキの耳に到着しました。ガスもだいぶ晴れて眺望もよくなってきました。ただ、ここもかなりの人人人。あまり長居できる状況でもなかったので、写真を撮ってそそくさと離れます。
オキの耳から見たトマの耳。天神平駅までしっかりと見えてます。トマの耳は群馬県側が鋭く切れ落ちていて、この深い谷がマチガ沢になります。
オキの耳からの眺望です。以前谷川岳に来た時には見えなかった谷川連峰の姿が本当に美しいです。
1枚目:トマの耳とそこから万太郎山へ延びる稜線
2~3枚目:今回登ってきた西黒尾根と東尾根。その間にある深い谷がマチガ沢です。
4枚目:東尾根の正面に見えるのは白毛門。白毛門からの一の倉沢を是非見に行きたいです。
奥の院~天神峠
せっかくなのでオキの耳から少し足を延ばして奥の院に向かうことにしました。ほとんど平坦なルートなので、無理なく行ける場所です。
白い鳥居の向こうに小さな祠があります。無事西黒尾根を登ることが出来ました。ありがとう!
この奥の院、この時期は是非行った方がいい!!とお勧めできる場所です。というのも、オキの耳から奥の院へ続くルート沿いのお花がとってもきれい!オキの耳までももちろんお花畑はあるのですが、このエリアの方が断然きれいでした。大した距離でもないので、ここは是非!
かわいいお花がほんとにいっぱ~い!
奥の院からオキの耳に戻ってランチにしました。上空の風が強かったのか、ガスったり晴れたりの繰り返しです。晴れた時の谷川連峰の姿にほれぼれしました。
下山は天神尾根を下ってロープウェイを使います。天神尾根方面へ下ると早速肩の小屋が見えてきました。
12:43 肩の小屋
肩の小屋で無事山バッチをGET。前回来たときはここでクマ鈴を購入しました。肩の小屋周辺は相変わらず大変な混雑で、さすが人気の百名山!といった感じです。小屋の脇で少し休んでいると、遠くから「ゴロゴロゴロ…」と雷の音が、、、午後は天気が下り坂になる予報もあったので、この雷を合図に下山開始しました。
肩の小屋直下の階段。前回登った時は今よりもっと体力がなかったので、休み休み必死の思いで登った記憶があります。とっても広い階段だった印象ですが、実際にはこの程度だったのか。
13:23 天狗の留まり場
天狗の留まり場でもたくさんの方が休憩していました。ここから見る爼嵓山稜はとてもかっこいいです。
右から「爼嵓」と「オジカ沢ノ頭」ごつごつした山稜でかっこいいなぁ。
そして天神尾根からよく見える西黒尾根。ザンゲ岩も小さく見えます。よくがんばった、私!
天狗の留まり場を過ぎると樹林帯に入っていきます。天神尾根にも鎖場がいくつかありますが、どれも傾斜は緩く、手や足の置き場がたくさんあります。
こちらも一応ロープが張られていますが、傾斜は緩いので問題なく歩けます。ただ、天神尾根は人気のルートということもあり、たくさんの登山者が歩いている為、岩がツルツルになっている箇所が多数あります。乾いている状態でも滑るので、雨の日の下山時には特に念のためロープや鎖につかまっておいた方がよい気がします。
傾斜が緩いとはいえ、以前来た時には私の目の前で小さい子供が転げ落ちていました。転げ落ちた本人は擦りむいただけのようでちょっと痛がっている程度でしたが、あの時は本当に怖かった。
13:52 熊穴沢避難小屋
避難小屋までやってきました。ここまでくればあとはラクチンラクチン♪と思って、隣で休憩していた登山者さんと楽しくおしゃべりしていたら、雨が…肩の小屋で聞いた雷も着々と近づいてきていたので、「ここは早めに下山した方がいいね」と言いながらそそくさと下山。
こちらも一応鎖場です。「一応」とつけてしまう程度ですが…
木道が出てくれば天神平駅まではあとわずか!と思って歩いていくと、とうとう雨が本降りになってきました。基本的には樹林帯の中にいるので雨はわずかしか当たらないのですが、写真のようにちょっと開けた場所に来るとかなり大粒の雨が降っています。仕方なくカメラを仕舞ってレインを装着しました。雨に濡れた木道は一気に滑りやすくなるので本当に嫌です。
カメラを仕舞ってしまったので、携帯で撮影
天神平駅に到着しました。レインを来ていたので無事でしたが、この時すでにザーザー降りです。
14:36 天神平駅
天神平駅に到着しました。到着したはいいのですが、この風雨と雷のせいでまさかのロープウェイが運休中。駅舎の中に大量の登山者たちが詰め込まれていました。私の後ろからもさらに人がどんどん駅に入ってきましたが、あと2時間は動かないと言われレストランに案内されました。
雨がやみ、結果16時にロープウェイに乗ることが出来ました。ロープウェイを待っている時間はとても長かったのですが、その間に単独女子お二人と仲良くなり、とても楽しい時間を過ごせました。雨の中で待ったおかげでこの景色!幻想的で本当にきれいな景色でした。
終わりよければすべてよしだよね!
最後に・・・
谷川岳はちょうど1年前の8月初旬に訪れたのですが、前回ここへ来たときは山を始めたばかりで、ガスの切れ間からわずかに見えた谷川連峰の姿に圧倒され「この景色をもっと晴れた日に見たい!」という思いから本格的に登山を始めた思い入れのある山です。この1年で沢山の山に登り、体力もついて、今回はまさか自分が登ることになろうとは夢にも思わなかった西黒尾根を無事登りきることが出来ました。西黒尾根の後半は体力的にとてもつらい道のりになりましたが、これまでにない達成感と、1年間の自分の成長を実感できたとても良い山行になりました。また来年、8月にさらに成長した自分と出会う為に谷川岳に登りに来たいなと思います。
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