【日帰り登山】青笹尾根で破風山(西破風山~東破風山~雁坂嶺)
2021年5月15日(日)山梨百名山の破風山に行ってきました。
破風山登山について
今回は以前ご一緒させていただいた方と2人での登山です。今回の登山の目的は2つ。
その1 一般登山道ではなく、アレンジルートの青笹尾根を歩くこと
その2 青笹尾根に群生しているワラビを採ること
この目的を果たすべく、いざ、破風山へ!
今回は2回目のアレンジルート。直登するのは不安だけどがんばろう!
- 破風山→標高2318m(西破風山)
- 青笹尾根登山口→標高1165m
- 今回の累計標高→1520m
- 今回の総歩行距離→14.3km
破風山・東破風山・雁坂嶺 / sei-nikoさんの破風山(山梨県山梨市)・雁坂嶺・東破風山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
これが実際に私が歩いたルートです。雁坂峠登山口の駐車場を利用し、青笹尾根~破風山~雁坂峠へと時計回りに周回しました。青笹尾根は防火帯エリア、倒木エリア、苔エリア、遭難!?エリア、岩稜帯エリアと次々に周りの環境が変化していくので飽きの来ない楽しいルートです。
青笹尾根登山口~西破風山
6:00 駐車場集合
今回は途中でワラビ採りをするので、駐車場に6時集合しました。6時の時点で車は5台程度。今日は天気も曇りの予報なので登山者も少なそうです。駐車場から出発しトンネルをくぐり橋を渡れば、青笹尾根の取り付きになります。
6:26 青笹尾根取り付き
国道140号線沿い、橋のたもとにある階段が目印です。登りにくい階段を登っていきます。
階段が終わるとすぐ防火帯のために切り開かれたエリアに出ます。新緑がとてもきれいです。
防火帯エリアはすぐに広くなってとても歩きやすい登りになっていきます。見上げると緩いのぼりにみえるのですが、ところどころに急登が挟まれているので疲れがじわじわと襲ってきます。ただ、片側はダケカンバの林、反対側はカラマツの林になっていてとてもいい雰囲気です。
7:15 ワラビの群生
1時間弱くらい登るとあちこちにかわいらしいワラビが出てきました。みんな「おいしいよ~おいしいよ~」「食べて~食べて~」と誘ってきます。根元近くでポキッと簡単に折れるので採りやすく、始めるとつい夢中になってしまいます。山ほど採りたくなりますが、この後の長い道のりを考慮して控えめに。
わらびがにょきにょき、あっちにもこっちにも!たのし~い
新緑がきらきら本当にきれいでした。この季節の山は本当に美しいです。
こんなかわいらしい落とし物も♡
ワラビの群生地を過ぎるとマルバタケブキの群生地にやってきます。フキなのかと思って、もう少し早い時期に来たらフキノトウが採れたのかな?と思いましたが、どうやら全然違うみたいですね。既におなかが空いてきました。
防火帯エリアを登りきると樹林帯の倒木エリアに突入していきます。巨大なおすもうさんがバッタバッタと木を払いながら歩いたかのように大木がなぎ倒されていて不思議。
このエリアはカメラに収めたくなるかっこいい木がたくさんあります。この日は重たいガスがかかっていたため、さらに幻想的な雰囲気に包まれ2倍増でかっこよく見えました。
初めて見るアズマシャクナゲの花。遠くから見ると大きな花に見えますが、近くによるとツツジのような花が一塊になって咲いていてとてもかわいらしいです。
この辺りはピンクリボンがあちこちに付いているので道迷いはあまりないと思いますが、ところどころ不安になるところもあるので、私も初のピンクリボンを設置しました。登りも下りもどちらからでもよく見えるように!がポイントだそうです。
うーん、2倍増!
苔エリアに入ってきました。ガスがかかっているので苔が湿気でみずみずしく、生き生きしてます。ちなみにこの辺りからシカのう○ちが大量に(笑)これは絶対シカに会えるはずと期待大です。
そして遭難エリアに突入です。この後さらに折り重なった倒木が行く手を阻み、踏み跡も完全にわからなくなるので軽く遭難状態です。倒木を跨いだり、這いつくばってくぐったり、とにかく上に進める隙間を探しながら歩いていきました。このルートで一番危険ではありますが、一番楽しいエリアでもありました。
一人だったらかなり怖かったかも…
遭難エリアを無事通り抜けて踏み跡を見つけました。続いて再度苔エリアに入っていきます。先ほどの苔エリアよりもこちらの方がコケがモフモフしていてあったかそうな印象です。
10:41 岩稜帯エリア
そしていよいよ岩稜帯エリアへ!ガスってしまっている為、周りの景色は全く見えませんでしたが、晴れていたらきっと眺望が良い事でしょう。今日は心の目を見開いて絶景を堪能。ここまでくれば山頂はもうすぐそこです。
西破風山~東破風山
10:41 破風山(西破風山)登頂 標高:2318m
西破風山山頂に到着しました。山頂は狭いうえに県境に位置する為それぞれの県の山頂標が負けてたまるかとわんさか設置されており、ごちゃごちゃと込み合っています。おかげでゆっくり休憩できる雰囲気ではありません。樹林に囲まれて眺望もないのでここでのんびりという感じではないです。
前回の天狗岳で味をしめて後ろ姿でパチリ。もちろん最高の笑顔です。
ここからは一般登山道に入り、東破風山へ向かいます。
この辺りからシカの皮剝ぎにあっている樹木が増えてきます。歯でガリガリ樹木を剥いで、中の柔らかい幹を食べるようです。これは生きている木にとってはたまったもんではありません。かわいそうに…
木の幹っておいしかったの!?
そして立ち枯れも増えてきました。厳しい気象条件のせいで立ち枯れてしまう、という説が有力なようですが、まだまだ原因究明中のようです。ガスの中の立ち枯れというのはこれまた独特の雰囲気です。
東破風山~雁坂嶺
11:35 東破風山登頂 標高:2260m
東破風山山頂に到着しました。こちらの山頂標は少し減ってはいますがやはり山頂は狭くのんびりランチでも、、という雰囲気ではないです。西破風山よりはやや開けていますが、今日は心の目でしか絶景が拝めないので先へ進みます。
東破風山から雁坂嶺に向け歩いていきます。展望が開けているところも所々出てくるので、ここも心の目で…妄想だけが頼りです。
ガスと立ち枯れの森を進んでいきます。一人だったら少し不安を覚えそうな景色ですが、今日は2人。それだけでこの景色も一気にいい雰囲気だなぁと思えるのです。
そして、とうとうその時がやってきました。この皮剝ぎにあっている樹木の右から下へ登山道が続いているのですが、濡れた根っこを踏んでしまいかなり派手に転んでしまいました…ちょうど登山道がグッと下がっていたので、そのまま滑り落ち、右大腿部を強打。ここまで派手な転倒は初めてで、痛みでしばらく動けませんでした。心の目ばっかり開きすぎてほんとの目がちゃんと見えてなかったのか…
濡れた根っこは危ないってわかってたのに…本っっっ当に痛かった~!!!
雁坂嶺~雁坂峠
12:30 雁坂嶺登頂 標高:2289m
とはいっても山では誰も助けてくれません。5分ほど悶え苦しんでから気を取り直して歩くしかないのです…
痛む足に鞭打って、なんとか雁坂嶺山頂に到着しました。今までの山頂よりも少し広くなっていて、既に先行者の方が一人休憩していました。大きなザックを背負っていたので、テント泊縦走されているのでしょうか。うらやましい。
雁坂嶺を出発して雁坂峠に向かいます。登山道は歩きやすく整備されていますが、立ち枯れや倒木がさらに激しくなって登山道以外は荒れています。
さらに雁坂峠に向け歩いていくと、だんだんとガスが晴れて周りの景色が見えてきました。
雁坂峠~登山口
雁坂嶺の方を振り返って。気持ちのいい稜線です。
13:00 雁坂峠の少し上
雁坂峠が込み合っていたので、ちょっと手前の稜線上でランチタイムにしました。稜線にはなっていますが広々としてベンチ代わりにできる岩もちらほら。ここまで何とか痛む右足も頑張ってくれたので、しばらくここでいたわります。
今までじらされていた甲斐があり、ここまで来てやっと見えた景色に胸いっぱいです。
13:23 雁坂峠到着 標高:2082m
20分ほどランチ休憩を取り、日本三大峠の雁坂峠到着です。だいぶガスが晴れて景色が見えるようになりました。でもさすがに富士山や南アルプスまでは見えませんね。これだけ見えただけで良しとしよう。
ここからは一路下山です。雁坂峠から九十九折りに下っていきます。ややザレているのでまた転倒しやしないかとかなりヒヤヒヤしながら下りました。
九十九折が終わると樹林帯に入っていきます。青空と新緑がとてもきれいな歩きやすい道です。
こ…これは…
今日は大量のシカのう○ちと、大量の皮剝ぎを目撃し、絶対にシカに会えるだろうと期待はしていましたが、まさかこんな形で出会ってしまうとは…
しかも誰かがきれいに並べたのね……
シカを通り過ぎると峠沢沿いの道が続きます。沢の音が心地よいです。ここで一回目の渡渉。とはいえ岩がごろごろしているので、濡れる心配はありません。
べちゃべちゃの登山道。ロープが張ってあるので、べちゃべちゃは避けて左の不安定な岩に足をかけて歩きます。
2回目の渡渉。こちらの方が水量も多く注意してわたります。そして、あぁぁぁここでまた転んでしまいました。登山靴のひもに落ちていた木の枝が引っかかってバランスを崩してしまいました。もうショックよりも悔しさしかなく、とてもここには書けない悪態を枝に浴びせて進みます。
怒!
まだまだ峠沢沿いを歩きます。
そして3回目の渡渉。ここも水量はありましたが、岩がいい感じにごろごろしていて問題なく渡れました。
ちょうどこの辺りでナメラ沢、中ノ沢、峠沢が合流して久渡沢になります。新緑と沢の流れがとてもきれいです。紅葉の時期はこの辺りきれいだろうなぁ。
沢はそのまま下っていきますが、登山道は沢を右手に見下ろす感じで進んでいきます。ここからはそこまで下り厳しい下りもなくきれいな森の中を歩きます。
最後の難所。登山道が崩れていて、ロープが張ってあります。2度の転倒を経て、心底ビビリになっていた私はかなり慎重になりましたが、通常であればロープを伝って問題なく通り抜けられると思います。
15:56 登山道終了
登山道はここで終わり、ここから林道に入っていきます。ここまで歩く間に足の痛みがだんだんとマヒしてきて思ったよりちゃんと歩けたのでホッと一安心。下山してからの車の運転ができるか心配だったのですが、これなら大丈夫そうです。
この橋を渡って林道に入ります。ゴールは近い!
林道とはいえ、上から岩が落ちてきたりしていて所々荒れていました。もうこのころにはすっかり青空になっていて新緑がまぶしいです。
16:12 雁坂峠登山口
無事(無事ではないけど)下山完了です!
最後に・・・
幻想的な濃霧の森や、倒木だらけで行く手も見えないエリア、かと思えば素晴らしい絶景で迎えてくれた日本三大峠の雁坂峠。そしてワラビ採りからプチ滑落までかなり盛りだくさんの山行になりました。破風山に関しては一般登山道を歩くよりも、今回の青笹尾根の方が楽しめるルートなのでは!?と思います。ただし、遭難エリアもありますので、くれぐれも経験者とご一緒に。。。
自宅に戻ってから右太ももを見てみると、太ももの外側が広範囲にわたって内出血…濃い紫色に変色。痛みも当日より2日目、2日目より3日目、、、とだんだんとひどくなってきて、数週間登山どころではなくスタスタ歩くこともできませんでした…。今思えばあまりの楽しさに張り切りすぎて、自覚しているよりも疲れて注意力散漫になっていたのかなぁと思います。良いお天気の週末を泣く泣く自宅ですごし、そのまま梅雨入りしそうですが、だいぶ復活してきたので、次の週末こそは!!と密かに計画をたてている今日この頃です。
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