【日帰り登山】大迫力の氷瀑を!雲竜渓谷
2022年2月12日(土)栃木県日光市にある雲竜渓谷に行ってきました。
雲竜渓谷について
関東地方屈指の氷瀑の名所「雲竜渓谷」。
女峰山の中腹にある渓谷ですが、厳冬期の1月下旬から2月中旬にかけて滝が完全に凍結し、高さ数十メートルの氷柱が周囲の壁いっぱいに出来るため「氷の神殿」「氷のカーテン」などと言われています。
一番奥まで行くと雲竜瀑があるのですが、雲竜瀑付近は氷瀑に加えて氷瀑を取り囲むように数多くの氷柱ができます。
見どころは雲竜渓谷入口付近の「友不知(ともしらず)」氷の神殿といわれる「燕岩」、そして最後の「雲竜瀑」です。
またとてもきれいな水が氷るので、ブルーに光る氷柱がとても美しい渓谷です。
- 雲竜瀑標高 1400m
- 雲竜渓谷入口ゲート標高 938m
- 今回の累計標高 944m
- 今回の総歩行距離 12.6km
雲竜渓谷 / キャリママさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
これが実際に私が歩いたルートです。
今回も部分的にログがしっかりとれておらず、残念ながら一部正確ではありません。
寒さのせいかなぁ、無念…
今回の山行、一番の衝撃は登山口までマイカーでたどり着けなかったことです。
雪が降ると雲竜渓谷入口ゲート前にある駐車場までたどり着くのは4駆のスタッドレスもしくはチェーン装着車でないと難しくなるので、ほとんどのかたが入口ゲートに向かう途中の龍尾神社駐車場もしくはその付近の路肩に停めて歩くのですが、当日は早朝の気温が低く、路面が凍結。
数台前の車がスタックしてしまったため後続車がみんな停止することに。
その影響でいざ出発しようと思ったときに、まさかの私の車もスタックしてしまうというどん底へ叩き落されてしまいました。
幸い後ろに1台しかおらず、その方がすぐにバックしてくださったので、一旦下がってから勢いをつけて脱出することが出来ましたが、初めてのスタック、あまりに恐ろしくてすぐさまUターン。
大人しく日光東照宮の駐車場に車を停めそこから歩くことにしました。
こちらは下山の際に撮影した入口ゲート前の駐車場。
チェーンをまいた車や4駆のつわものたちが駐車しています。
私も絶対に次は4駆を買おう…
7:28 日光東照宮駐車場
朝6時半には日光に到着し、すぐさまスタックするというハプニングの為、なんやかやで1時間もロスしてしまいましたが、7時半には意を決して雲竜渓谷向け出発です。
ただ、先ほどスタックした瀧尾神社方面からの車道を歩くのもなんだかつまらないなと思い、稲荷川の東側にある登山道を歩いて登山口に向かうことにしました。
しばらくはきれいに除雪された車道を歩いていきますが、そこで早速シカの大群を発見。
15頭近くいたでしょうか。
このかわいい姿を見れただけでも、車で行かず歩いてよかったとほっこりしました。
みんな一斉にじっと見つめてくる姿がたまらん!
しばらく歩くと車道は鉄のゲートで塞がれ山道に入っていきます。
ところがこの道…トレースがない…
どこを探しても足跡一つないきれいな雪の上を歩いていくことになりました。
こんなにも一人ぽっちの山は初めてで新雪の上を歩く楽しさと、前にも後ろにも確実に誰もいないという不安な気持ちが入り混じっていました。
物音ひとつしない雪の森をギュッギュッとあるくアイゼンの音だけが響きます。
半分くらい歩いた頃でしょうか。
かなり心細く感じていた時に、登山道にあるシカの足跡を見つけました。
この足跡、この後登山口までずっと登山道についていて、私にとってはとても心強いアニマルトレースとなりました。
8:47 川沿いルート登山口
そしてやっとやっと登山口に合流することができました。
一人で歩いているときは登山口に着いたらもうそこで今日の登山は終わりにしようか…などとかんがえていたのですが、無数の足跡を見たら一気に元気とやる気がみなぎってきました。
人がいる、トレースがある、これってなんて幸せなんでしょう。
ここで一息ついてから、あまりの寂しさに他の登山者さんが来るのを待って、前後に人がいる状態でスタートしました。
この川沿いのルート、道迷いの恐れありといわれてはいますが、これだけトレースがしっかりしていれば道迷いになりようがない。
しばらくは広い道を緩やかに登っていきます。
9:01 日向砂防堰堤
途中日本一の砂防ダムと言われている日向砂防堰堤に到着しました。
この堰堤の右をまいて先へ進むのですが、堰堤右側まで登るには(登らないと先へ進めないのですが)少し急な登りを登ってきます。
この辺りは雪の量も少なく、チェーンスパイクでもあれば問題なく登れますが、道幅も狭く足場もあまりしっかりはしていないので、一瞬ひるむ急登でした。
残念ながら写真にはうつらなかったのですが、堰堤から南の下流方向へ目をやるとうっすらと百名山の筑波山が見えました。
逆に北側の上流方向へ目をやると正面に大迫力の女峰山が聳えています。
女峰山をアップに
レッドバンドもしっかりと見えていますね。
百名山である男体山よりも女峰山の方がかっこいいじゃないかと思ってしまうのは私だけではないはず。
いつか登りたい山の一つです。
堰堤を満喫したら広い広い河原に下って歩いていきます。
この辺りはもう女峰山から目が離せない、絶景を楽しめるポイントです。
渓谷は凍結している箇所もたくさんあり、中に空気が閉じ込められていてこれもまた美しい。
何度ものぞき込みたくなるのですが、雪が積もっているので、どこまでが河原でどこから氷になっているのかわかりません。
慎重に…
10:01 洞門岩
洞門岩までやってきました。ここでアイゼンを装着するのが一般的なようです。
私はチェーンスパイクを付けていたので、ここでアイゼンに履き替えます。
今度は黒い土石流止めが出てきました。
この土石流止めの手前に渡渉ポイントがあるので要注意。
土石流止めの下まで歩いてしまった人はジャボジャボ沢の中を歩く羽目に陥っていました。
おや?
土石流止めの上の方に見えるのはもしかして雲竜瀑!?
渡渉ポイントは何回か出てきます。
沢の流れがなかなかの勢いなので、大体が沢の中ほどにある石に乗っかってから思い切ってジャンプするしかないのですが、石も凍っている恐れがあり怖いんです…
前を歩く人の様子を見て、自分の跳躍力を信じて思い切り飛び立つほかないです。
最近ホント体が重いのよね…痩せよう…
土石流止めを越えた先が一番の道迷いポイントになるかと思います。
うまく写真にとれていないのが申し訳ないのですが、先を行く赤いザックのかたの右手にグググッっと登っているのが正しいルート。
ウッカリ間違えると道なりにまっすぐ行ってしまいそうになります。
間違える人も多いようで踏み跡もかなりついてしまっているので、地図をしっかりチェックしながら歩きましょう。
赤いザックの人の右手にあるルートを行くとしばらくは急登が続きます。
最初は恐らく過去に崩落したであろうガレた急登を登ることになるのですが、そのあとは急登とはいっても足元はしっかりしています。
ただ部分的に岩が露出しているところもあるので、アイゼンが引っかからないよう注意が必要です。
10:31 雲竜渓谷入口
ここまで来てやっと「雲竜渓谷入口」です。
じゃ、今まではなんだったのよって感じですが、ここからが大絶景の本番だと心躍らせて先へ進みましょう。
雲竜渓谷入口は展望台のようになっていますが、ここからはまだまださわり部分しか見えません。
この滑り台状の階段を手すりにしがみつきながら降りればいよいよそこからは氷の神殿の内部に突入です。
とうとう姿を現した「友不知」氷の神殿の入口です。
ものすごい数の巨大な氷柱がみんなの足を止めます。
この辺りからはもうシャッターを切るのに夢中で、なかなか前に進めません。
写真を撮っている間にもばらばらと細かい氷が解けて落ちてきているので、あまり近くによると危険です。
出来ればヘルメットを装着しましょう。
途中で登山道は氷柱の内側に入り込んでいきます。
まさに氷のカーテンといった感じ。
そしてとうとう「燕岩」氷の神殿に到達しました。
アーチを描いた岩壁に氷の柱が無数にあって幻想的な雰囲気です。
この柱の一つ一つが氷柱だということが本当にびっくり。下にいる人との大きさを比べていただければその大きさをわかって頂けるはずです。
本当に感動するから、是非本物を見に来てほしい~♡
泡立ったように見えるツララの数々。
どうしてこんな形になるのか、もう自然の神秘です。
氷の宮殿を満喫したら次はいよいよ雲竜瀑へ向かいます。
ここからが一番の急登。
とにかく急な斜面なので、しっかりとアイゼンを効かせて歩くようにします。
さらに傾斜のキツイ急登になると、先人たちのおかげで階段状のトレースになっているので安心です。
とはいっても下山時はかなり怖かったです。
チェーンスパイクや4本、6本爪で歩いている人もいましたが、かなり危険そうでしたのでやはり10本爪以上がおススメ。
11:14 雲竜瀑
とうとう雲竜瀑が全容を現しました。
何十メートルにもなる大迫力の雲竜瀑です。
氷の宮殿からここまで歩いていて不安を感じる箇所もありましたが、本当に来てよかった。
氷の宮殿で満足して折り返してしまう方の方が多いと思いますが、10本爪以上のアイゼンがある方は、是非こちらまで足を延ばして見に来てほしいです。
こちらの氷瀑も泡立つ波のようになっている箇所があり、滝の泡立つ水しぶきがそのまま凍結したように見えます。
私も記念にパチリ。
また、かなり見づらいですが、氷瀑の右側の氷柱部分でアイスクライミングをしている方もいました。
この氷瀑に比べるとまるで人が豆粒のよう。
氷瀑を満喫して帰路につきます。
下山は少しルートを変えて林道コースを歩くことにしました。
この林道コース、林道だけあって歩きやすくはあるのですが、景色が変わるわけでもなく九十九折れの道をただひたすら歩くというちょっと飽きるルートです。
12:55 稲荷川展望台
林道コース唯一の見どころ、展望台に到着しました。
でもこのころにはだんだんと空の色がグレーになってきていて、イマイチ。
ただ、行きに使った川沿いコースにある日向砂防堰堤の全貌がきれいに見えます。
いよいよゴールが近くなってきたところで、雪だるまが登場。
ちょっとシュールな雪だるまでしたが、お疲れ~!と癒してくれるうれしい存在でした。
九十九折りの林道を下っている途中から、チェーンスパイクに雪団子が付き始めました。
この辺りからは取っても取ってもすぐに雪団子がくっついてくるので、チェーンスパイクは外した方が歩きやすかったです。
今一番の願いは雪団子が絶対に付かないチェーンスパイクを探し出すこと!誰か開発して~
13:29 雲竜渓谷入口ゲート
長い長い単調な林道を下りきり、やっと入口ゲート前まで下ってきました。
このまま日光東照宮まで車道を下っても良かったのですが、登りでかなり頑張ったので、今回はここでタクシーを呼んで駐車場まで一気に下りました。
下山後は温泉に
下山後はタクシーの運転手さんおススメの「やしおの湯」へ。
日光市民以外は700円で内湯、露天風呂を楽しめます。
入口ゲート前からは車で20分程度です。
トロッとしたお湯でお肌がツルツルになるとてもいい温泉でした。
最後に・・・
今まではいわゆるピークハントという登山をメインに行ってきましたが、今回は山頂を目指す登山ではなく、山腹にある雲竜瀑を目指す登山となります。
山頂へ登るわけではないので、まぁそんなにきついこともないだろうとたかをくくっていたのですが、う~ん、甘かった。
結果、日帰り登山並みの行動時間と累計標高をしっかりと歩くことになりました。
今回の山行で一番緊張感を持って歩いたのは燕岩から雲竜瀑へ向かうルートです。
急登をググっと上がっていかなければならないのと、狭い斜面のトラバースがあります。
ピッケル推奨ではありますが、私はピッケルは使わずトレッキングポールを使って登りました。
個人的な感想としてはほんの一部危険個所もありますが、ピッケルなしでも大丈夫かなという印象です。
(あくまで個人的感想です)
圧倒的な迫力の氷の神殿そしてその奥に聳える雲竜瀑、是非直接その場で体感して頂きたい氷瀑です。
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